倉庫業青年経営者協議会
2012年常任幹事会
日程:2012年1月30日(月)
場所:芝パークホテル(東京都港区)
2012年1月30日(月)、芝パークホテル(港区)別館アイビールームにて、倉庫業青年経営者協議会常任幹事会および国土交通省との意見交換会が開催された(常任幹事27名出席)。常任幹事会では、復活した企業交流委員会や、会員増強のためのホームページリニューアル、40周年記念に向けた準備状況、被災会員を見守るホームページの取り組みなど、さまざまな報告がなされた。また、国土交通省との意見交換会では、NPO法人災害支援機構WE CAN事務局長の秋元義彦氏を迎えて民間による支援物資の備蓄の取り組みについてうかがい、さらに国土交通省から「災害に強い物流システムの構築」について説明を受け、官民両方の側面からの災害対策の動向をうかがい知ることができる貴重な時間となった。
INDEX
1.常任幹事会
開会あいさつ/運営委員会報告/企業交流委員会報告/IT委員会報告/組織委員会報告/40周年記念準備委員会報告/
東日本大震災で被災した会員の復興状況を見守るホームページについて/NPO法人 災害支援機構 WE CAN について/その他
2.国土交通省との意見交換会
3.懇親会
年が明けて時間が経ってしまいましたが、本年もよろしくお願いいたします。昨年3月11日に東日本大震災があり、私が会長を務めるこの2年間は、倉青協として「災害について考え、備え、被災した方を応援すること」をテーマに活動しています。次回3月の全体会では、震災から17年を経過した神戸を訪問し、震災後どのようなかたちで復興がなされてきたのかを勉強していきます。さらに来年の3月には、太宰さん(㈱白石倉庫)の地元・仙台で全体会を開催し、震災からちょうど2年経って仙台がどのように復興しているのか、2年間どういう思いで復旧に向けてがんばってこられたのかについてもお話を伺いたいと思っています。
震災から10カ月経ちましたが、まだまだ復旧、復興にむけて長い道のりかと思います。これから我々が直接お手伝いできることは少ないと思いますが、被災した会員企業を見守らせていただくということで、今年から被災企業の復旧状況をホームページに掲載することも考えています。
また本日は、災害に備えるということで、国交省との意見交換会の冒頭に、NPOで活動されているパンアキモトの秋元社長にご登壇いただきます。秋元社長のお話をうかがいながら、倉庫会社として、あるいは倉青協として災害にどう備えていったらいいのか考えていければと思います。
▽次回企業交流委員会について
平成24年4月27日、生川倉庫様本社倉庫施設にて、企業交流委員会を開催予定。メインテーマは「新規顧客獲得のノウハウとそれを支える現場力」。
<確認事項>
・前回は定員を設けたが、今回は60、70名までは大丈夫(生川氏)とのことで、定員なしとし、まずは1社1名で募集する。
・企業交流委員会として、現場研究会と事例研究会を年に各1回計画しているが、事例研究会の場合、物流というテーマを共有できるほかの業界の方(例:冷蔵倉庫、港湾関係、運送関係、国際物流)を呼ぶかどうかという議論があった。声をかけるべき相手がいれば声をかける。
→倉青協を基本として、我々の刺激になるような方が来てくれるといい(醍醐会長)
・オブザーバー参加は、一般申し込みのタイミングと一緒に受け付ける。
平成23年12月6日、株式会社ヤマウ鳥谷部臨港倉庫様にて、組織委員会を開催し、新入会員増強に関して議論した。
・勧誘ツールとして、ホームページで具体的に活動内容が見られるツールがほしいということで、IT委員会にホームページの改訂を依頼。
・会員増強に関するアンケートを実施。現状13社から回答があり、うち3社が入会見込み。アンケートは非常に有用なので、引き続きご協力いただきたい。
・ホームページに「入会用ページ」をつくり、入会申込書、会則等がすぐに取り出せるようにして、ご紹介者にも負担にならないようにしたい。
<確認事項>(醍醐会長より)
日本倉庫協会の一員であることが倉青協入会の資格要件に入っている。今後新しく入会いただく会員については、日倉協の会員であることを原則としたい。
平成23年12月8日(木)、富士ロジテック京橋オフィスにて、40周年記念準備委員会の会合を行った。今後、冊子グループと式典グループの2つのグループで活動をしていく。次回委員会は総会時に開催予定。情報公開として議事録を残しているのでご参照いただきたい。
<冊子グループ>
・編集骨子は以下のとおり
現在の倉青協をいくつかの側面から記述するものとする。
30周年から40周年の間に起こったことを中心にまとめる。
単独の読み物としても編集方針のわかるものとする。
<式典グループ>
・式典として格調を保ちつつ手短に行い、メリハリをつけた運営をしたい。
アキモトパンの秋元社長は栃木県のパン屋さんで、NPO法人 災害支援機構 WE CAN でパンの缶詰と水、毛布の3点セットを備蓄する活動をしている。ご縁があって秋元社長と知り合い、支援物資の物流経費がかかって困っていると聞き、何かお手伝いできないかというところからお付き合いが始まった。備蓄のためには倉庫が必要であり、倉青協としても備蓄の部分で協力する方法はないか。今日は秋元社長にお越しいただき、この後で話をしていただく。
●その他
会員数は現時点で112名。来年の総会までに150名体制にするべく、新入会員の勧誘を続けていきたい(醍醐会長)
●その他
会員数は現時点で112名。来年の総会までに150名体制にするべく、新入会員の勧誘を続けていきたい(醍醐会長)
国土交通省との意見交換会
▼国土交通省ご出席者
国土交通省大臣官房参事官 金井 昭彦様
国土交通省総合政策局物流政策課長補佐 波々伯部 信彦様
国土交通省総合政策局物流政策課長補佐 寺川 直樹様
国土交通省総合政策局物流政策課長補佐 谷貝 浩一様
国土交通省総合政策局物流政策課総合物流施設企画調整官 林 広之様
国土交通省総合政策局物流政策課専門官 安田 孝臣様
国土交通省総合政策局物流政策課専門官 山倉 学様
▼来賓ご出席者
NPO法人 災害支援機構 WE CAN 事務局長 秋元 義彦様
民間のネットワークで災害に対する備蓄を
~NPO法人災害支援機構 WE CAN の取り組み~(概要)
NPO法人災害支援機構 WE CAN事務局長
秋元義彦様
私はごく普通のパン屋だが、阪神大震災の被災者の声をきっかけに、長期保存できてなおかつおいしいパンの缶詰を開発した。昨年の3.11の際は、前山倉庫の前山さんと連絡を取って、1万5千缶を被災地へ送った。そのときの活動がテレビで紹介され、1か月間で2000万円以上の寄付が寄せられた。それは、たくさんの人が地域のための備蓄をしたいと考えているということの表れであり、それを機にNPO法人 WE CAN を立ち上げた。
今回の震災でもわかるように、自治体の備蓄は、即現場へは飛んでいかない。県の予算で用意したものを他県に送るには、議会の承認や相手方の受け入れ体制、物流などいろいろな問題をクリアしなければならない。同じように、日本赤十字社には3000億円以上の寄付が集まっているが、公平性や責任などの観点からまだ一部しか配布されていない。一方、民間であれば、被災地や困っているところに一刻も早く支援物資を送ることができる。
WE CANの備蓄の仕組みは、たとえば茨城で募金いただくと、その分のパンと水と毛布を茨城県の倉庫に倉庫代を払って置かせてもらう。万が一、神奈川県で災害が起きたときには、その備蓄から2分の1をすぐに神奈川に送るという連携を図りつつ、残りの半分は二次災害等のために自分の県に残しておく。
もし2年間何もなければ、まだ1年賞味期限が残っている状態でそれを回収し、無償で海外の飢餓地域に送る「救缶鳥プロジェクト」をNGOで行っている。備蓄は何もなければゴミになるが、賞味期限が切れる前に回収して必要とされる地域へ送ることで、非常に現地で喜ばれている。
今後、企業が参加しやすいよう税額控除が受けられる組織にしていきたい。さらに100万円以上寄付した会社にはオリジナルラベルを貼った備蓄品を用意し、災害が起きたときにはそれを拠出していただくことにより、税額控除を受けながら、自分たちの備蓄と宣伝、CSR(社会貢献)ができる仕組みを考えている。
東京都では、3日分の備蓄を努力目標とする条例化が進んでおり、先日は猪瀬副知事が救缶鳥プロジェクトに興味があるとのことでご案内した。我々NPOが自治体や政府と連携することで、自治体の予算で備蓄しなくても民間の備蓄が進み、日本の優しさを海外へ伝えることができるはずだ。それには全国のネットワークが必要であり、我々と倉庫業協会とのネットワークが構築できれば、いざというときの物の流れが早いという思いがあり、前山さんに相談させていただいた。すぐに何ができるかはわからないが、まずは皆様に私たちの活動を知っていただくことが重要だと考えている。ぜひ皆様にも前向きにご検討いただきたい。
「物流制作の現状と課題」
国土交通省大臣官房参事官(物流産業)
金井 昭彦 様
東日本大震災では、全国から物資が集まっても県の拠点での倉庫、施設が足りず、物資がなかなか被災者の手元に届かないという問題があった。民間物流事業者のノウハウと施設をいかに事前に準備しておくかが重要だとを認識した。
国土交通省では、自治体の災害部局の方、倉庫協会、トラック協会、そのほか物流事業者の方と議論することが重要ということで、「災害に強い物流システム構築事業」に関する協議会を設置した。まだ手探りの状態で進めているが、まずは東日本で何が問題になったのか情報共有するだけでも意義があるかと思う。
今後、どういう役割分担をするか検討し、それを受けて協定を結んでいただく。とくに今回問題となったのが、広域物資拠点、施設ということで、いざというときに協力いただける施設をリストアップして整理し、協定を結ぶことを促進していきたい。それらの施設に関し、事業者から申請を受けた場合、非常用電源や非常用通信設備について補助する仕組みづくりを進めている。
民間施設の活用は中央防災会議でも議論が進んでいる。協議会では3月に協力事業者リストと報告書をまとめ、中央防災会議に提出し、25年度以降に整備していく。災害に強い物流システムということで、倉庫、物流施設を中心にやっているので、ぜひ倉青協にもご協力いただきたい。