倉庫業青年経営者協議会
常任幹事会・第127回全体会
日程:2012年3月8日(木)
場所:神戸ポートピアホテル(兵庫県神戸市)
2012年3月8日(木)、神戸ポートピアホテル(兵庫県)において、倉庫業青年経営者協議会の各委員会・常任幹事会、第127回全体会、見学会が開催された。「災害について学び、備える」という方針のもと、阪神淡路大震災から17年をかけて復興を遂げた神戸の地で開催された全体会は、防災未来センターの見学も含め、災害の恐ろしさと防災対策の重要性を改めて深く心に刻む貴重な機会となった。今大会は63名という多数の参加者を得て、盛況のうちに閉幕した。
INDEX
1.各委員会・常任幹事会
2.第127回全体会
会長あいさつ/来賓ごあいさつ/運営委員会報告/企業交流委員会報告/IT委員会報告/組織委員会報告/40周年記念準備委員会報告/災害に備える活動 倉庫会社としてできるひとつの取り組み/連絡事項
3.見学会「人と防災未来センター」
4.懇親会
会長あいさつ
醍醐 正明会長
醍醐倉庫株式会社
皆さん、お忙しい中、第127回神戸全体会にお越しいただきありがとうございます。去年の6月に会長に就任してから、早いもので9か月が経ちました。私の任期であるこの2年間は、3.11の東日本大震災を受け、「災害について学び、備え、そして被災された企業の方々を見守らせていただく」ことをテーマに活動しています。
3.11から約1年経った今、阪神淡路大震災を経て復興を果たした神戸に学ぼうということで、神戸で全体会を開催しましたところ、63名のご出席をいただきました。東京での総会以外で60名を超えたのは久しぶりではないかと思います。
来年の3月には、震災から2年を経た仙台で全体会を開催する予定にしています。被災された皆様はまだ復旧途上で、大変な思いをされていると思いますが、1年後、元気に笑ってこの2年間を振り返っていただけるようになっていることを心から願っております。
今回の神戸大会では、藤尾さんをはじめ地元幹事4名の方に下見会を含め5回も準備で集まっていただきました。ありがとうございます。これから明日まで長い時間ですが、いろいろ勉強し、また懇親を深める会にしたいと思います。
ご来賓紹介とごあいさつ
国土交通省 神戸運輸監理部長
和田 昌雄 様
倉青協におかれては、昨年から震災について考え、備え、そして被災された方々を応援していくことをテーマに活動を進められているとお聞きしています。とりわけ被災地の会員企業様への支援については、人的支援や義援金、救援物資の輸送などに取り組まれたとのことで、皆様の迅速な対応に心から敬意を表します。
この神戸の地は、17年前の平成7年に阪神淡路大震災によって壊滅的な打撃を受けました。神戸港では営業倉庫の大半が臨海部に立地しており、建物や保管貨物に大きな被害が出て、これらの処理に追われました。被災市民からは、家具や家財などの一時保管のためのトランクルームの利用の問い合わせが頻繁にあり、兵庫県倉庫協会ではトランクルームの相談窓口を開設して対応したという記録もあります。
官民一体となって一歩一歩復興を進め、17年を経過して現在の神戸港の姿になりました。まだ十分とは言えませんが、私どもの経験を東日本大震災の復興に少しでも役立てられたらと感じております。
昨年の東日本大震災では、緊急支援物資が円滑に輸送、配送されなかったという問題が発生しました。この教訓を活かすため、今後大規模災害が予想される近畿地域を含めた全国4つの地区で、「災害に強いロジスティクスシステム構築」に向けた協議会を立ち上げ、民間施設の活用やオペレーションについての検討を進めています。災害時の緊急支援物資受け入れ可能施設のリストアップや、非常用電源設備、非常用通信設備の設置に対する補助に関しては、倉青協の会員企業の皆様にも積極的に取り組んでいただいており、この場をお借りして御礼申し上げます。
関西では、昨年12月に京都、大阪、兵庫の3府県、京都、大阪、神戸の3政令市が、関西イノベーション国際戦略総合特区に指定されています。中でも神戸港については、一昨年8月に阪神港として国際コンテナ戦略港湾に指定されており、総合特区にも取り込まれています。昔、「港の元気は日本の元気」というスローガンがありましたが、神戸運輸監理部としても自治体や関係各位と連携して、「神戸の元気が関西の元気、関西の元気が日本の元気」となるよう努めてまいりたいと思います。
最後に倉青協会員各社のご発展、本日ご出席の皆様のご健勝、ご活躍を祈念して、私のあいさつとさせていただきます。
兵庫県倉庫協会 会長
森本 啓久 様
皆さんお久しぶりです。今日は兵庫県倉庫協会会長というより、倉青協OBとしてごあいさつさせていただきます。
神戸での全体会の開催は今回で6回目ですが、じつは過去5回は全部うちの倉庫やビルの竣工パーティに引っ掛けて開催されています。第6回全体会(昭和49年)が三宮ビル西館、第22回(昭和53年)が三宮ビル東館、第51回(昭和61年)が三宮中央ビル、第66回(平成3年)が六甲アイランドの倉庫、そして第88回(平成11年)は三宮ビル南館の竣工パーティで、その年に私は倉青協会長に就任しました。この三宮ビル南館は、震災復興で建て直したビルです。
阪神淡路大震災を経験して者として、皆さんに言っておきたいことが2,3点あります。まず一つは、「経営のトップは、潰れるような家に住んではいかん」ということです。会社がいろいろと被害を受け、陣頭指揮を取らなければいけないときに、自分の住んでいる家にダメージがあると、家族の安全や身近なことが気がかりになって、会社のことに専念できなくなります。経営トップはまず潰れるような家に住んではいけません。一番身近なところでダメージがないようにすることが大事だと思います。
次に、何を用意しておいたらいいか。震災直後に一番役に立ったのは、バールです。建物が傾いたりひずんだりしてドアが開かないときにこじ開けたり、ひっくり返っているものをちょっと起こすにしても役立ちます。私の家の隣がマンションで、やはり震災直後にドアがひずんで出られなくて、ドアを叩きながら助けてという声を聞きました。そういうときにすぐに役に立つのがバールです。うちでは、バールに軍手をガムテープで巻きつけて、消火器と一緒に家の各階や会社の各入口の際に置いています。もう一つ、震災で停電になった場合、営業所などは館内放送が使えないこともあるので、防水のハンドマイクを各所に置いています。
東日本大震災の津波以降、我々が再チェックしたのは、避難経路と非常ドアの開きです。一番問題になったのは、セキュリティの関係で外から入れないように施錠しているドアです。津波の場合、外へ逃げるのではなく建物の中に逃げて上へ上がらないといけません。皆さんも一度、非常ドアの開き勝手や施錠などをチェックされたらいいと思います。
私は62年に倉青協に入会して22年間在籍し、その間に20周年、30周年を経験しました。昔は全体会に20、30人という時期もありましたが、今はこれだけたくさんのメンバーが集まって情報交換をされていて、うらやましい限りです。40周年を機に、ますます倉青協が発展されることを祈念します。
神戸もなかなか景気が悪く、夜の街もだいぶさびしい状況ですので、ぜひ倉青協のパワーでたくさんお金を落として帰ってください。そして来年の仙台では、さらに神戸の3倍くらいお金を落として帰っていただければと思います。
▽組織委員会の活動状況
・IT委員会と協力し、ホームページに倉青協を伝える新たな広報誌面を作成予定。
・ホームページ(メンバーページ内)に組織委員会フォルダを作成。フォルダに入会申込書、会則、会員名簿、30周年記念誌等が格納されているので、新入会員獲得の際、ご活用いただきたい。
・醍醐会長のもと、来年6月までに150名体制を実現すべく努力しているが、現在112名、残り38名と、まだまだ人数的に足りていない。組織委員会としてフォローするので、皆様一人ひとりに会員候補をお考えいただければと思う。
・1月末に候補者アンケートを締め切った。そのうち数名はすでに入会あるいは内定している。引き続きご協力いただきたい。
災害に備える活動 倉庫会社としてできるひとつの取り組み
1月の常任幹事会で秋元氏に講演いただいた、NPO法人 災害支援機構We Canの活動内容をテレビ番組のビデオ等を交えて紹介。醍醐会長は、「我々が協力できるのは備蓄の部分であり、保管料等、適正な費用を算出し提示していきたい。We Canは昨年暮れに立ち上がったばかりなので、これからの様子を見ながら倉青協としての関わり方を検討していく」と述べた。
*NPO法人 災害支援機構We Canとは
自治体に災害が起きた際にタイムリーに物資を届けるため、全国各都道府県の企業や一般市民から寄付を集めて、パンの缶詰、水、毛布を購入して備蓄する活動をしているNPO法人。
パンアキモトは栃木の小さなパン屋で、秋元社長とは異業種交流会で知り合った。秋元氏は以前から、災害で備蓄されたパンの缶詰を賞味期限1年前に回収し海外の飢餓地域へ送る「救缶鳥プロジェクト」という活動を続けているが、物流コストが経営を圧迫していると聞いて、何かお手伝いできないかというところから話がスタートした。その直後に3.11東日本大震災が起き、災害で物を集めるときに誰も物流コストを考えていないという話になった。そこで災害が起こる前に、コストもしっかり考えて計画しなければいけないと秋元氏と話し合い、NPOの立ち上げに至った。
まだ立ち上がったばかりで時間はかかると思うが、全国各地に民間レベルで備蓄を進めて有事に備えることを、倉青協として盛り上げていけたら意義があると考えている。何もなければNGO国際飢餓対策機構を通じて海外の飢餓地域に支援物資として送ることで、日本のみならず国際的にも貢献する活動となるので、ご検討をお願いしたい。
●連絡事項
▼新着情報の紹介(詳細はホームページ新着情報をご覧ください)
【新入会員ご紹介】
2011/11/21 新日本物流株式会社 松山 恵美様
2011/12/06 株式会社マルコ物流 遠藤 吉次様
2011/12/21 結城運輸倉庫株式会社 結城 賢進様
本日(3月8日)現在会員112名
【就任のお知らせ】
2011/12/09 協和運輸倉庫株式会社 高橋 大輔様 代表取締役社長にご就任
2012/02/10 鈴木興産株式会社 鈴木 明弘様 代表取締役専務にご就任
3.倉庫見学
全体会終了後、各自ホテルにチェックインを済ませてからバスで移動し、「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」を見学した。阪神淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に活かすことを目的に設立された同センターでは、震災を迫力ある映像と音響で再現するシアターや、復興に至るまでの道のりを紹介するドラマを全員で鑑賞した後、広い館内をまわり、震災の記録や災害対策等について学んだ。震災関係資料の中には、今大会幹事を務める藤尾氏の会社である神明倉庫様の「倒壊したレンガづくりの倉庫」の展示もあり、災害の大きさを生々しく伝えていた。
4.懇親会
18時より、「神仙閣」にて懇親会が行われた。円卓を囲み、豪勢な中華料理を楽しみつつ歓談の輪が広がり、盛況な会となった。
醍醐会長あいさつ
第一部は講演会、第二部が経営者によるパネルディスカッションで、パネラーは小山さん(小山企業㈱)、井上さん(㈱五洋ロジテック)、本日オブザーバーで参加いただいている西川さん(新興海陸運輸㈱)の3名で、自社の経営戦略を熱く語っていただきました。
また、物流ニッポンが毎年4月に倉庫特集を組み、今年は倉青協メンバーによる座談会ということで、神奈川大学の経済学部長の斎藤先生の司会のもと、曽根さん(㈱ダイワコーポレーション)、堀畑さん(阪南倉庫㈱)、堀内さん(丸市倉庫㈱)、田中さん(㈱オーティーエス)、そして私が座談会をしました。斎藤教授からは、「倉庫会社のイメージが変わった。今日のメンバーは皆さん前向きで夢を持って会社を経営されている」とおほめの言葉をいただきました。
日本に倉庫会社は三千数社あると言われていますが、こうした機会を通じて、倉青協112人のメンバーが業界をリードしていけるようになればと思います。お互いに切磋琢磨して成長できる集まりであるためには、信頼関係がないと腹を割って話し合うこともできませんので、こうした場でお互いに飲んで騒ぐことも大事かと思います。今日も楽しく飲みましょう。
第127回全体会幹事紹介
初参加会員紹介
遠藤 吉次氏
株式会社マルコ物流
井上 明氏
株式会社五洋ロジテック
箱守 大輔氏
京葉流通倉庫株式会社
伊藤 武人氏
新柏倉庫株式会社
千葉の伊藤です。倉青協は千葉県の会員が少なくて、私ともう1社しかないということで、千葉県として頑張りたいと思います。拓洋の鈴木社長にご紹介いただきました。これからもよろしくお願いいたします。
結城 賢進氏
結城運輸倉庫株式会社
田中 文敏氏
中央海産株式会社
オブザーバー 後藤 大悟氏
株式会社後藤回漕店
オブザーバー 西川 聡氏
新興海陸運輸株式会社
東京都品川区の西川です。オブザーバーとして参加しました。年齢的に50歳に近いので、ちょっと無理かなと思うのですが、かなり執拗に、いえ、熱心に東京倉庫協会城南支部の醍醐さんや村田さん、大竹さん、皆さんからお話をいただき、オブザーバーとして参加させていただきました。皆さん、活発に勉強されていて、前向きな経営者の方が多くて、非常に感銘を受けております。今日は楽しく飲ませていただきます。