鈴木庸介

倉青協
企業交流会を神奈川・厚木で開催 音声システムの“体験”も

倉庫業青年経営者協議会(倉青協、池田雅一会長)は11月8日、2017年度第1回企業交流会を開催しました。今回は、富士ロジテックホールディングスグループの富士ロジテック・ネクスト(本社・静岡市、鈴木孝明社長)のご協力をいただき、東名厚木物流センターで音声システムを活用した業務の効率化を見学させていただきました。同システムを活用して実際にピッキングを行ってみる体験会も行われ、「アイズフリー」「ハンズフリー」「ストレスフリー」の効果を実際に感じる貴重な機会となりました。

富士ロジテック・ネクスト様は2014年に富士ロジテック様から分社化して設立されました。現在、不動産事業とコントラクトロジスティクス事業の2事業を主体とし、3PL事業ではアパレルを中心とした物流業務を受託しています。サトーからの提案を受け、昨年2月にウェアラブル型音声認識ソリューション「Ami Voice iPicking」を導入し、物流効率化に役立てているということです。
見学会の開催にあたり、田中優一郎企業交流委員長(オーティーエス)は、「音声システムを実際に運用している事例は少なく、今回の企業交流会を通じて、ヒントにしてもらいたい」と挨拶しました。 
また、富士ロジテックホールディングスの鈴木庸介社長は13年前に阪南倉庫の物流センターを見学した際、オープンな姿勢で様々な質問に真摯に答えてくれたことを振り返り、「堀畑さんが『物流会社同士、ライバルとして戦うのではなく、お客様や社会のニーズに応えていくために切磋琢磨し合うべき』と言っていた。今回の見学会では、富士ロジテック・ネクストの社員がどのように仕事をしているかも見てほしい。社員たちが『楽しんで仕事をしている』と皆さんに感じてもらえたら経営者としては誇らしい」と話しました。

音声システムの使用機器は「ipod touch」「補助バッテリー」「専用収納ケース」「マイク兼スピーカー端末」「小型バーコードスキャナ」で構成されており、富士ロジテック・ネクスト様では、一連のシステムを「VIPS」(Voice Integrator Package System)と呼んでいます。
富士ロジテック・ネクスト様では音声システム導入を機に、WMSも更新し、在庫管理のリアルタイム化にも着手したということです。ロケーション変更などがすぐに反映され、ロケーション反映にタイムラグが生じることによる作業の無駄も解消されました。
「VIPS」の特徴は3つあり、ひとつが「アイズフリー」。紙やハンディ機器の画面を見る行為がなくなるため、一歩の踏み出しがスピードアップします。また、視界を広く保てるため、フォークリフトとの接触防止など安全面でも効果を発揮します。もうひとつが「ハンズフリー」です。片手で持つと畳みが崩れてしまうアパレル製品や、片手では持てない重量物などのピッキングにも適しています。3つ目が「ストレスフリー」。指示を耳で聞いて、発話で返すためストレスを感じにくく、快適な作業を継続して行うことができます。
音声システムで指示を出す音声は、熟練によって音声を段階的に早めることができます。作業に慣れたスタッフの方は、ほとんど聞き取れないような早さの音声指示を認識し、的確に作業を行っていました。
実際にピッキング体験した会員の中には、ピッキング作業は初めての方もいましたが、音声による作業指示であるため、作業への習熟も案外早いと感じられたようです。また、聞き手に装着する使用機器は軽くて、違和感もほとんどなく、女性でも負担なく使いやすいという声も聞かれました。

富士ロジテック・ネクスト様によると、導入後、1時間あたりの平均ピッキング枚数が約4割向上したということです。導入前は生産性が上がらず、在庫整理により3交代制の24時間稼働を行っていましたが、導入によりピッキング作業の生産性が向上し、また、WMSで在庫引き当てや在庫移動などがリアルタイムに反映されることによって、日勤8時間稼働で対応できるようになりました。
今回の企業交流会ではピッキング作業のみならず、音声システムを使った通販の仕分け作業やデジタルサイネージを活用した作業の進ちょく管理についても見学させていただきました。VIPSではスタッフごとの生産性も把握できるため、モチベーションの向上にも一役買っているそうです。また、作業計画の精度が上がって人員の最適な配置を行えるほか、計画時点で現状作業の限界値が分かるため、数字的根拠に基づいた荷主との協議、計画の見直しの際も活用できます。
なお、見学会終了後は、会場を移動し、グループに分かれて音声システムのメリットや課題などを議論しました。

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